バ ラ
| バラがこの世にはじめて姿を現したのは、約7,000万年前 - 約3,500万年前であると言われています(白亜紀:1億4400万年 - 6500万年前,新生代第三紀:6500万年 - 160万年前)。新生代第三紀頃以降は既にバラの化石が発見されています(アメリカ 3500万年から3200万年前)。
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最初のバラはノバラの先祖であると考えられています。現代に見られる形状のバラは人間が品種改良をして作り出したもの(古代バビロニア・等)です。
東洋のバラと西洋のバラを交配して品種改良が盛んに行われ、現在オールド・ローズと呼ばれる品種が次々と作り出されていきました。
バラの育種の歴史に大きく貢献したのがフランス皇帝ナポレオン1世の皇后ジョセフィーヌ(1763 - 1814)です。植物好きの彼女は、パリ郊外のマルメゾン宮殿に数多くの植物学者や園芸家を集め、バラの研究を援助しました。”バラのパトロンヌ”と呼ばれる所以です。1791年のフランスのカタログには25品種しかなかったバラが、38年後の1829年には4,000種を超えていたといわれることからもジョセフィーヌのバラに対する熱意が窺われます。
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品種改良の結果、それまでの一季咲きよりも長く花を楽しめる四季咲き大輪種のバラが誕生しました。第1号は「ラ・フランス」(ハイブリッド・ティーローズの嚆矢)、作出は1867年・作者はジャンバプティスト・ギヨー Jean-Baptiste Guillot【ナーサリーの名門、メイヤン Meilland 一族と並ぶギヨー家の2代目】です。「ラ・フランス」より以前のバラ【人工交配種】を”オールド・ローズ”、それ以後のバラを”モダン・ローズ”と呼びます。

ラ・フランス画像2例花が大きく軸が細いため、左例のように横向きや点頭することが多い。

Le Petit Prince には、2種類の「バラ」が登場します。

B-612 の「バラ」

地球のバラ達
「地球のバラ達」については別項で述べました。このページでは「B612 のバラ」について議論します。
- 原書 p.64 にある挿絵は、現実に存在するバラではあり得ません。花が一輪しか着かないバラはありません。枝分かれがありませんし、葉はバラのもの(奇数羽状複葉)ではあり得ません。芽のような形の上向きのトゲも、非現実的です(バラのトゲは鈎爪型)。花の形も、このような花弁の付き方(度の過ぎたポンポン咲き)は無理があり、第一、花弁が小さすぎます。でも、そのような点はこの際無視することにします。
バラが上記の La France であるという「可能性」の整合性;
- バラが La France であるという支持要因
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- 「星を良い香りで包んでいた」: La France は、香りが弱くなってしまったモダンローズには珍しく、高い香気(ダマスク系)を漂わす種類です。
- 花弁が多い: La France は、45〜60枚もの花弁を持つ大輪咲きのバラです。(その代わり花弁が薄く、雨・乾燥・その他に弱い欠点があります。当然、あまり長持ちしません。)
- つる性ではない: La France は、木立性です。
- 花弁は裏が濃い: La France の花弁は、裏が若干濃い色です。
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- バラがLa France であることの否定理由
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- 軸が太く、上向きに咲いている: La France は軸や枝が細く、花の重みを支えきれずに横向きに咲くのが普通です。
- 花弁が赤い: La France は、ピンク色の花弁です。
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上記の「整合性」は、必要条件であって、十分条件ではありません。それに対し、否定理由は非常に強い説得性を持ちます。もし「ばら」が La France であれば、「バラはフランスを表す」という主張にとって強い支持要因になるのですが、残念ながら、結論は「 La France ではない」と言うところに落ち着きそうです。【逆に、もしサンテックスがフランスのメタファーとしてバラを持ち出したのであれば、この挿絵は La France と矛盾しないものでなければなりません。】
それではこのバラの正体は何なのか、と言う疑問が湧きますが、答はありません。バラの種類は非常に多く、条件(もちろん、最初に述べたバラとしてあり得ない点を除いての話ですが)を満たすものは、とてもひとつに決められないのです。
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