タマシェク語訳

アルジェリア

hair line

 トゥアレグ族は北アフリカのサハラ・サヘル一帯を居住地とする砂漠の民です。広大な地域に散らばって生活をしていますから、トゥアレグ語には多くの方言が生まれました。タマシェク語はその四つの方言のひとつです。【4方言の総称として「タマシェク語」が使われることもある。】

logo

 アルジェリアの位置。

 ここにお見せするものは、初版ではなく、復刻・増補版ですが、復刻版といえども極めて手に入り難い希少品です。赤い紐で緩やかに綴じた装丁をはじめ、初版の姿を忠実に再現してあります。(この復刻版は、1994年「サンテックス没後50周年記念」(Années 50)に復刻され、フランスで印刷されました。)
 【初版は、1958年にフランス外務省官房の注文で作られ、アルジェリアのトゥアレグ族高位者に贈呈されました。連番号が記入され、表紙裏にフランス政府印刷局の印刷物であることが明記されているのが、復刻版との違いです。1958年という時期がどのような意味を持つかは、下欄をご覧下さい。】

 第二次世界大戦終了後、世界各地で旧植民地の独立運動が起こりました。北アフリカのフランス領植民地や海外県も例外ではありません。
 1955年、アルジェリア・チュニジア・モロッコで反仏暴動が起き、1956年にチュニジアとモロッコはフランス連合内で独立を達成しました。アルジェリアへの対応に関しては、フランスの政府も世論も分裂しました。1958年、シャルル・ド・ゴールが首相に復帰し、第五共和政が開始されました。9月にアルジェリアの民族自決を支持します。アルジェリアの白人や軍部はこれに叛旗を翻し、本土への攻勢上陸さえ現実のものとなり兼ねない状況になりました。フランス政府は、アルジェリア内の諸民族のご機嫌取りをする必要に迫られていたのです。
 1954年から続いたアルジェリア戦争の結果、アルジェリアが独立を達成するのは1962年7月のことです。

logo

 表紙。

logo

 タイトルページ。

logo

 第1ページ。挿し絵はガリマール系の絵を手書きで模写したもの。原画に忠実とはいえず、素朴なタッチの線画です。

logo

 綴じ紐には充分な弛みが与えてあるので、本を開けば左右に別れます。この絵は左右のページをつき合せて撮影したもの。左側は復刻ページ。右側は付け加えられたガリマール版の複製挿し絵。

logo

 複製挿し絵は片面印刷ですが、本文は両面印刷。

logo

 文字が読めないのがとても残念。見慣れた挿し絵のせいで、物語の展開は察しがつきます。

logo

 本文の分量はとても少ないのです。挿し絵から推察できることは、「星巡り」が全面的に省かれています。また、王子がバラを侮辱する場面もないようです。この訳者は、余計なもの、あってはならないものを取りのけて、Le Petit Prince の真髄だけをタマチェク語に移したのではないでしょうか。本当に大事な部分をしっかリと読み解き、あるべき姿を見抜く目を持った素晴らしい読者だったのだろうと思われます。


書名:agg et'tébel
言語:Tamachek 語(Tuareg 語)
翻訳:アブデルガデル・ベン・エル・ハジ・アフメッド
(kodja Ghabdel Kadar agg el Khaj Akhmed)
出版社:
ISBN:なし
出版時期:1994?
初版:1958.12.
装丁:表紙厚紙, 紐綴じ。28p.
判形:27.0, 21.0, 0.5 cm
挿絵:単色 19 + {彩5, 単色1}(Gallimard)
備考Tamachek 語(Touareg 方言)。
初版は(フランス?)外務省官房からの注文で、フランス国立印刷局で印刷し、
アルジェリアのトゥアレグ族高位者に贈呈された。連番号が打たれた模様。(下欄参照)
【このページの画像は復刻版。】


 私の所持品ではありませんが、初版本を掲載しているサイトがあります。

   トゥアレグ語訳初版

 復刻版との相違は、印刷所名が記載されていることと、連番号が打ってあることです。


hair line

トップページに戻る
総目次に戻る