サマータイム制度

サマータイム
断 固 反 対

 
 たとえば、こんな趣旨の法案が上程されたとしましょう。

 いま、世界は食糧危機に直面している。この事態に、日本人が飽食の様相を呈しているのは実に許されがたいことと言わねばならない。よって、○○年△△月××日を持って、全国民の食事回数の上限を一日2回とする。

 特殊な人を除いて、一度に食べられる量には限りがあり、回数を制限することによって一日あたりの総摂取量を減らし、かつ、一回あたりの摂取量が増加するために、満腹感を与えることができる。過度のカロリー摂取が抑制される結果、メタボリックシンドロームや糖尿病は激減することが予想され、国民の健康にとっても、国家経済にとっても、そして、国際的な評価という観点から見ても、高い評価が期待できる一石二鳥の方策である。
 尚、労働量が多く、本当に一日あたり多くのカロリーを必要とする人は、一回あたりの食事量を多くすれば必要な熱量を摂取できるので、何ら問題はない。

 あなたはこれに賛成しますか?
 他人に迷惑をかけたり、ルールを逸脱したりしない限り、何時・どこで・何を・どれほど食べるかは、個人の自由に属します。国家権力に束縛されるべき問題ではありません。
 どんなに馬鹿げた考えであるかはお判りでしょう。まず第一に、外食産業をはじめとして、計り知れない深刻な打撃を受ける部門が続出するでしょう。二次・三次の波及効果が壊滅的な結果をもたらすであろうことは、容易に想像できます。その損害は、「食料の節約」を遙かに上回るデメリットとしてはね返ってくること請け合いです。
 そして、飽食して、これ以上食べられない人々に取っては、何の痛みも伴いはしないでしょうし、高級酒をたしなむ人にとっては、痛くも痒くもないことでしょう。もちろん、大邸宅の奥でなされる宴会や食事を取り締まることは期待できません。
 一度に多くの量を食べられず、少量ずつ何度かに分けて摂食している病弱・老齢の人々にとっては命取りです(さもなくば、栄養補液という医療費の増大を強いられます)。唯一救いがあるとすれば、日に3度も食事ができない極貧の人々の首を(直接)締め上げることはしない、ということだけです。

 これと選ぶところのない、とんでもない法案が検討されているそうです。どんなに深刻で人権無視の法案であるか、皆さん一人ひとりに、真剣に考えていただきたいと願い、このページをアップロードしました。是非読んで下さい。
【昔、日本でも「サンマータイム」が実施されたことがありました。青少年期にその4年間を経験し、もはや老人と呼ばれる年齢になった人々は、おそらく100%がその制度に反対であろうと思います。かくいう私も、その老人の一人です。】


サマータイム

導 入 に

断 固 反 対 し ま す

 問題なのは、これがもっぱら経済観点から推進しようと画策されており、最も大切な「人間」への配慮がまったく欠落していることです。

 【「早起き」は、それぞれの状態に応じて個人が行うべきことです。「社会的時刻」を動かす形で国家が介入すべきものではありません。また、日本の緯度では日照時間に不足はありませんから、日光浴を強制すべき理由はありません。高緯度地方を抱えるロシアでさえ、反対意見が多数を占めて、制度の廃止が国会に提案されました。フランスでも、廃止が検討されています。日本も1948年から実施した(当時は「サンマータイム」と呼び、新聞連載の4コマ漫画「サザエさん」の題材にされたりしました)ことがありますが、あまりの不評に耐えられず、4年間で(占領が終わるのを待って)早々に廃止されました。同じ失敗を二度繰り返すのは愚かなことです。】

 賛否両論のウェブサイトやブログを読み回って、不正確な根拠を基に話を進めている例が少なくないことに気付きました。このままでは不毛の論議になりますので、以下の点を追加説明しておきます。再確認の上、考えを点検していただきたいものと思います。
 フレックスタイム
 サマータイムとフレックスタイムを混同しているのではないかと思われる主張が散見されます。サマータイムとは、時刻そのものを変更するものです【従って、日本中のあらゆる時計を一斉に変更しなくてはなりません】。対してフレックスタイムは、時計はそのままで、勤務の開始時刻・その他を変更するものです。札幌で試験的に行っていたのは、この「フレックスタイム」で、事業所や地域毎に行うことが可能です。(「繰り上げ」ばかりでなく、「繰り下げ」もあり得ます。)
 フレックスタイムは、以前からその実施の必要性を指摘されながら、一向に実現されません。たとえば、学校や会社等の各事業所が業務開始時間をうまくずらせば、大都会の通勤地獄や道路の渋滞は、かなり解消されると期待されます。サマータイムでは何の解決にもなりません。
 フレックスタイムであろうとも、その切り替え時には生体リズムにショックを与えることは同じです【「フレックス」の意味は、広いのです。季節に従って変更するとは限りません。個人による自由選択制も含めて、恒久的な変更でも構わないのです。その場合、ショックは最初の一回だけです】。よく検討して、現状の矛盾を解消できるような方法を考えることが重要なのです。
 たとえば、病院の開業時刻はもっと遅くするべきだと思うのです。公立病院が、他の公務員の始業時間に合わせて受け付けを開始するのは、感心しません。順番待ちをするために、随分早くから待合室で窓口が開くのを待っていたり、病院の周りで時間つぶしの散歩をしていたりするのを度々目にします。冬の寒い日や雨の日などは見るからに大変です。病院は「病人」が来る所です。朝早くから「早い順番を取るため」に病院にやって来るのは、病院のあるべき姿であるとは思われません。順番待ちそのものや、予約制導入等も含めて、患者の立場に立った改善が必要です【受付は早くとも、医師が出勤して患者の前に現れる時刻は、結構遅いことが多いのです】。その一案として、(町の医院も含めて)診療科毎にそれぞれの患者層や診療実態に合わせた始業時間を「フレキシブル」に選ぶべきだと思うのです。フレックスタイムの妙味をうまく生かすことができれば、現代社会が抱えるキシミのいくつかは、緩和することができると思われます。【サマータイム制度は、これらの解決に寄与しないばかりか、それを悪化させてしまいます。】

 概日リズム
 サーカディアンリズム【circadian rythm : circa = 約, dian = 1日】を訳して、概日リズムまたは概日周期といいます。太陽光から隔離して自由に生活させると、生体時計毎に独自の周期を持ちますが、通常の生活では毎日リセットされるため、地球の自転周期:23時間56分4秒 に一致させられています。睡眠-覚醒周期のリセットが上手く行かないと(昼夜周期と体内時計の周期とがだんだんずれてしまい)、不眠症等の睡眠障害を引き起こすことになります。
 生体時計
 心拍リズム, 呼吸リズム, 睡眠-覚醒リズム, 月経周期, 等々、人体は実にさまざまなバイオリズムを刻んでいます。それらのリズムをつかさどるのを「生体時計」と呼びます。生体時計は複数あり、親時計・子時計という関係で理解して宜しいかと思います。これらの時計の「同調」が上手く行かないと、深刻な健康障害が引き起こされます。【原子時計にあたる、基本周波数発振器は(もし実在するならば)単数でなければ都合が悪かろうと思われますが、これは「時計」であるとは限りません。基本周波数をそれぞれ変調して、親・子の時計が作動すると考えられます。】
 体温リズム
 「基礎体温」という言葉は特別な意味で使われていますので、うかつに使うと誤解を招いてしまうのですが、それに相当する体温(つまり、筋運動や分泌腺活動等による付加的な熱産生がない状態の体温。もう少し専門的な表現では、体温中枢の体温セットポイント)は、概日リズムを有し、それを「体温リズム」と呼びます。この体温リズム【フリーランでは約24時間。個人差あり】は、概日リズム親時計のリズムをかなり正確に反映していると考えられており、その指標に使われることが多いのです。このリズムはかなり頑固で、旅行の際に時差を生じたりした場合、なかなか現地時間に適応しません。
 睡眠-覚醒リズム
 概日リズムを刻みますが、その生体時計【フリーランでは25〜30時間前後。個人差大きい】は、体温リズムとは別のものであると考えられます。短時間のうちに地球規模の移動をした際の時差ぼけ jet lag は複合的な現象ですが、一番自覚されるのが「眠気」、つまり、睡眠-覚醒周期と現地時間とのズレです。この「ズレ」は個人差が大きく、殆ど感じない人もいれば、一週間以上続く人もいます。(体温とは異なり)比較的早く現地時間に同化します。【大光量照射によってリセットされることが多いのはこの時計です。そのために、現地時間への同調が早いのです。】
 時差の影響と感受性の個人差
 夏時間導入に賛成する人の中には「外国で夏時間を経験したが、悪影響はなかった」と主張する人がいます。これは「睡眠-覚醒リズム」について語っているのです。【特派記者のように、元々規則正しい生活を送っていない人は「睡眠-覚醒リズム」を無視した日常ですから、時刻が1時間シフトしても影響がないのは当たり前のことです】。自覚的な「眠気」に異変を感じていなくとも、体温リズムを測定してみれば(あるいは、注意力・その他のスコアを計測してみれば)、決してそうでないことが判ります。別の表現をすれば、感受性が鈍い人は、1時間程度の時間ジャンプでは、(実は起こっている)体内の変化を感じ取れないのです(飲酒によって注意力や運動性の反応速度が低下しているのに、それを自覚しない人が多いのとよく似ています)。
 生活習慣の違い
 夏時間を採用している国の多くには、「昼寝」の習慣があることに注意する必要があります。フランスでは昼休みはしっかり取り、家へ食事に帰る人も多く見ました。昼寝をしてくる人も少なくありません。ラテン系の国々では、2時間もの昼休みが習慣化している国も、少なくありません。1年を通してこのような生活を送っていれば、体内リズムもそれに適応しており、日中に緩衝時間帯がありますから、時差ショックは和らげられると思われます。このような国のデータを基にして、日本での影響を議論するのは、精密さを欠く心配があります。


 「サマータイム制度推進議連」というのがあるのだそうです。党派を超えて130人もの議員が名前を連ねているとか。今秋(2008年)にも法案の成立を期すると伝えられています。そして、これに賛同する意見表明も少なくありません。

 この議員達の、短絡的な思考を野放しにしてはなりません。彼らには、目前のことしか見えてはいないのですから。

 石油の価格が上昇して、国家戦略上問題があるからと、バイオ燃料を煽ったバカな大統領がいました。人間の食料(彼の貧しい知識の範囲内では、有り余る家畜の飼料だったのでしょうが)をアルコール発酵させて燃料に変えるというのです。何のために燃料が必要なのかに思いが至らない本末転倒の試みは、たちまちにして食糧危機を招き、世界各地で飢えに苦しむ人々を増加させました。他人がどうなろうと知ったことではない亡者どもが、この機会を捉えて農産物を投機の対象にし、食料価格を人為的に吊り上げたため、狂乱状態の食品価格に底辺の人々は喘ぎ続けています。
 それと同列の愚行が、また繰り返されようとしています。「財界」という名の怪物の歓心を買うために、「人間」を犠牲にしようというのです。時刻を変える「必要」も「必然性」もありはしません。それなのに彼らは、少でも多くの利潤が獲得できそうならば、国民の生活にどのような影響が及ぼうと知ったことではないのです。
 深夜便のトラック運転手や3交代制で早朝出勤の労働者を例に挙げるまでもなく、少なからぬ人々がギリギリの時間を生きています。これに加えられる衝撃は、耐震性不足の建物を地震が襲うようなものです。震度は小さくとも、やっと立っている人々には死活がかかった事態を呼びます。

 繰り返しますが、制度を変える「必要」は微塵もありません。影響を受ける人々にとっては、命がかかっています。書斎や応接室だけで法案を考えるのは、やめにしていただきたいものです。

 これらの賛同意見に共通して認められるものは、サマータイム導入メリット過大評価と、デメリットの意識的な過小評価・無視です。

 まず第一に、良いことずくめの経済効果が列挙されますが、道路やダム建設の際に出される「予測」と同じで、実現不可能な「水増し最大限効果」に過ぎません。1時間時刻を遅らせたからといって、金が湧き出てくるわけではありません。この不景気な時代に、明るい夜が長くなったからといって、誰が消費を増やすでしょう。多くの国民は、そんな余裕もないほど逼迫した人生を送っているのです。
 また、コンピュータシステムをはじめ、膨大な額の出費が必要となります。これを、新たな「需要喚起」であって景気を刺激する、と信じている面々がいるのですが、戦費と同じで、還元されることのない「無駄な消費」ですから、特定の人にとっては「儲かる」話かも知れませんが、全体で見ればマイナス(経済学でいう「不経済」)でしかありません。

 第二に、時刻を毎年2回シフトさせることに伴う経済的なデメリットが、過小評価されています。上記の「水増し」とは逆に、小さくちいさく削られ・押し込められているのです。どこの国の統計も、この項目をちゃんと評価していません。算定・計上不能を良いことに、徹底的に過小評価するからです。【とりわけ、増加する事故や病気による出費の増加は、意識的に黙殺され、逆に「個人的な支出」として、消費の増大(= 景気の向上)に勘定されてすらいます。】

 最も大切な、「人間を大事にする」という観点に立つならば、時刻を変動させるという行為は絶対に支持されません。それでなくとも現代社会の人間は、「社会的時間」に縛られて生活しています。本来ならば、太陽の運行(すなわち明暗周期)に従って徐々に変動するべき「自然時刻」とは別に、無理をして「社会時刻」に合わせています。この「時刻」を「突如」変更することは、生物にとって物凄いストレスなのです。そしてそのストレスは、弱者にしわ寄せする形で発現します。若くて健康な人なら耐えられる負荷でも、老人・病人・妊婦・その他の、負担限界が低かったり、負担ベースラインが上がっていたりする人にとっては、とどめの一撃になりかねません。数値を挙げてものをいうとき、このように甚大な被害を受ける「弱者」は、社会の「一部分」として、無視されがちです。

 「たった1時間」だから「影響は殆どない」、というのは嘘です。体温の日周リズムは極めて頑固で、その「たった1時間」を、なかなか適応してくれません。この体温リズムと合わない生活* は、さまざまな不都合を生み出します。フランスに住んだことがある私は、夏時間を複数回経験しました。目立って健康を害することはなかったのですが、「何となく体がだるい」症状は終日続き、馴れるまでに一週間以上かかりました**。私だけではなく、周りのフランス人も同様で、「迷惑な制度だ」と異口同音の意見でした。若くて健康であってさえ、この「能率が悪い」迷惑な状態が、夏時間の始まりと終わり、1年に2度訪れることになるのです。統計数値にはあがってこない、この目に見えない「不経済」は、国家にとって無視することのできない損失になるはずです。

* 体温リズム:体温の概日リズムそのものではなく、体温リズムを作り出している生体時計(基本的な親時計)とのズレが不都合なのです。体温リズムは、その生体時計の良い指標として、便利に使われます。

** 馴れただけです。自覚されなくなりますが、体の不調は潜在化して、事故危険性はずっと続きます。そのことは、体温リズムが変わっていないこと、諸機能テストでの成績が低下していること、で証明できます。

 生体リズムの専門家集団、日本睡眠学会がこれについての調査をし、学会としてサマータイム実施反対の声明を発表しています。

 日本睡眠学会
 サマータイムに関する声明
 サマータイム制度と睡眠 :サマータイム制度に関する特別委員会中間報告書
 サマータイム制度は存続させるべきか? 欧州連合上院代議委員団−レポートNo.13、1996/1997

 私見に過ぎませんが【とはいえ、定年退職で退会するまで、日本睡眠学会・その他生体機能にかかわる複数の学会の会員でした】、サマータイムの判りやすい(健康にかかわる)欠点を、端的に列挙しておきます。

 日周リズムが狂います。その結果:
 全国民の能率低下が(必ず)起きる。
 交通事故・労働災害が増える。
 睡眠障害患者・睡眠関連症状が増加する。
 心疾患・脳疾患が悪化する。
 消化器疾患も増加・悪化傾向になる。
 目立っていなかった健康障害(多くは不定愁訴)が顕在化する。
 鬱症状が亢進し、自殺者が増加する。
 ことが避けられません。

もっと広い目配りを!

 批判の嵐を巻き起こした「後期高齢者医療」制度。サマ−タイム制導入にも、まったく同じ基本思想が見て取れます。犠牲となる「少数」の弱者は切り捨て、「悪影響は殆どない、良いことずくめの素晴らしい制度だ」と言い張るのです。
 サマータイム制度の場合も、「少数者」は決して「少数」では済みません。現代の日本社会では、殆どの人がボーダーラインすれすれの状態(閾下縁 サブリミナルマージン といいます)で毎日を生きています。ほんの少しストレスが増えるだけで限界を超え、無意識のうちに頑張って抑えていたさまざまなことが、一気に吹き出すことになります。【現実に、昔は思いも及ばなかったいろいろなことが、我々の周りで出現しているではありませんか。】
 たとえば、アレルギー症状は、ある日突如として顕在化します。限界線を超えるまでは、症状としては表れません。でも、徐々に徐々に、水面下で蓄積されているのです。症状が出て初めて、そのことに気付く人が大部分です。他人事ではありません。全ての日本人は、その内側に多くのストレスをため込みながら生きています。生活全体を1時間ずらすよう強要することは、この限界線を突き抜けて、不具合の姿を水面に押し上げる強力なストレスとなります。耐えきれず、健康破綻に見舞われて初めて、自分が「弱者」だったことを知るのでは遅すぎます。
 「してはならないこと」は、放置してはならないのです。時間を弄ぶことを、許してはなりません。亡霊のごとく、毎年のように現れては消えるサマータイム論議に、この際きっぱりととどめを刺しておく必要があろうかと思います。

札幌商工会議所と金属労協は猛省を!

 サマータイム制導入の震源が札幌工業会議所であることは、よく知られた所です。その会議所主導で「実験」を行っていましたが、2007年より自主参加にしたところ、『札幌商工会議所が今年は自主的な取り組みに任せたこともあり、今回激減したようです 』といいます。メリットがあるものならば、今まで参加していなかった事業所もどんどん参加して、その数は年を追って上昇するはずです。自由参加にした途端減少【約700団体 ⇒ 約30団体】に転ずるのは、圧力をかけて無理に参加させていたということでしょう。

 その実験は、結論が先にあって、数値を「いかにそれに添わせるか」というものであったことは、明らかです。たとえば、札幌市の「サマータイム実証実験報告書」(下記 URL)は、市役所職員から回収したアンケートの分析を行っていますが、年齢層・職階・実験参加日数のクロス分析を(最も基本的な出発点である、分散分析による有意差検定すら)行っていません。統計分析をする上で必須の科学的なサンプリング計画と無作為化を行っていないのです。それなのに、

『それぞれの回答者の実験への平均参加期間をみると、「健康増進に役立った」としている人が22.2 日、「変化なし」が17.3 日、「睡眠不足などの体調悪化」が15.7 日である。健康増進に役立った人と体調の悪化を感じた人との間には参加期間で約1週間の差があり、昨年の実験と同様、短期間の参加では体がなかなか対応できず、長期に参加した場合には、健康面での良い影響が評価されたと考えられる。』

 と結論づけます。最後の

『短期間の参加では体がなかなか対応できず、長期に参加した場合には、健康面での良い影響が評価されたと考えられる』

は、(サンプルのグループ化方法と分析手法が不明なので可能性の指摘に過ぎませんが)

『からだが対応できない人は早期に脱落し、鈍感な人は長期間参加した』

のかも知れない、すなわち、因果関係が恣意的に逆転されているかも知れないのです。
 【何よりも、「健康面での良い影響が評価された」という文言は、我田引水・牽強付会の極みです、「体が馴れるためにはこの程度の期間が必要であることを示している」というのが常識的な判断で、「健康増進に役立った」という予め用意された回答選択肢は、結論誘導型のバイアスアンケートの典型です。ましてや、「健康悪化」の例があるのなら、それだけで即刻中止すべき「実験」ですから、3年も続けたこと自体問題であると同時に、「実施すべし」という結論は、絶対に出てるはずのないものです】
 この報告書のままでは分析が非科学的で、予定された結論にねじ曲げを行っているとの批判は免れません。

 まったく同じように、労働組合(下記 URL)も御用組合化して、用意された結論を担ぎ上げる役目を担っています。「朝は眠かった」という訴えを何と思っているのでしょう。その労働者を支えている家族の状態は? 客観的・科学的な結論を最初から放棄した調査ならば、ない方がずっとましです。

 北海道が高緯度で、夏は時刻をずらした方がそれほど良いことずくめであるというのならば、フレックスタイム制を敷いて道内だけで実現すれば済むことです。日本中を引きずり込み、その犠牲の上に自己の利益を図りたいという身勝手な考えは、絶対に容認できません。
 音頭を取った札幌商工会議所とその提灯持ちの金属労協、そして、多地方の迷惑そっちのけで自己の経済的利益を追求しようとした賛同者の人々には、猛省を促したいと思います。

札幌サマータイム制 参考

 調査結果・他 の電子ファイル類(順不同):
 平成18年度サマータイム実証実験報告書 札幌市(平成18(=2006)年10月)
 札幌市市民まちづくり局企画部 (2005年10月)
 サマータイム導入に向けた各方面の動向 (金属労協政策レポート No.21 2004.12.17)

 サマータイムに疑問提示するサイト/ページの例(順不同)。
『サマータイムについて』 石山 勝則
札幌のサマータイム導入実験は何か変ではないか? あざらしサラダ
札幌のサマータイム導入実験は何か変ではないか(2) あざらしサラダ
サマータイム本当にいいの? 省エネ、余暇増加へ疑問の声も Yahoo!Japan News
サマータイム導入激減「終業時間変わらない」 47NEWS
北海道のサマータイム 急ブレーキ? 楽天ブログ

参 考

 調査結果・他 の電子ファイル類(順不同):
 サマータイム制度の導入に向けて〜環境保全と経済成長を両立させる体制の構築を〜 (株式会社 日本総合研究所 2005.05.26)
 サマータイム制度(Daylight Saving Time)に関する調査研究報告書(概要) (平成17年3月, 関西広域連携協議会)
 サマータイムを考える(2001年度 大阪大学経済学部 伴ゼミ)
 サマータイム制度導入に関する国会議員アンケート 社会経済生産性本部
 サマータイム制度情報 国民会議報告(省エネルギーセンター)
 大学生のサマータイムに対する考え 日本気象学会
 Does Daylight Saving Time Save Energy? Evidence from a Natural Experiment in Indiana 夏時間を採用するとエネルギー消費量は逆に増える:Matthew J. Kotchen & Laura E. Grant

 サマータイムに反対/疑問提示するサイト/ページの例(順不同)。
日本国サマータイム(夏時間)導入に疑問 縄田 頼信
サマータイム問題を考える 伊藤 毅
こんなに多いサマータイム反対の声 伊藤 毅
ブログ:サマータイム 伊藤 毅
サマータイム制導入に反対する media
今、サマータイムは必要か? 鴨田 哲郎
サマータイム法案の上程に反対する意見 鴨田 哲郎
猫でも分かる「だまし」のサマータイム 宮本 順伯
家族がいちばん 練馬 のんべ
サマータイムの話 オタクラ
サマータイム導入? どるこむ仲間の掲示板!
サマータイム推進議員には二度と投票しません!! 2ch
すのものの「夏時間(サマータイム)導入に反対です」 すのもの
サマータイム導入に反対します。絶対に認めません Hiroyuki Tsutsumi
サマータイムは絶対反対!: ryo's blog(仮) ryo
サマータイム導入反対 守天働児の部屋
サマータイム法案、絶対反対!各党・各議員に抗議メールを! ★阿修羅♪
「サマータイム制について」掲示板
サマータイムとは 林 虎雄(?)
サマータイム制に反対しよう 銀の櫂
サマータイム、賛成?反対? コッソリアンケート
サマータイムの意義より国としての制度化に問題あり taku-u
サマータイムの導入は真に有益か? 武田 靖
日本に『サマータイム制』はいらない! Twister
『地球温暖化防止のため…』は大嘘っ! Twister

表紙を表示する(フレーム構造を取り入れる)