Le Petit Prince/Un Sens A La Vie

特装本 サンテックス全集

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 「どこかのブラッスリーで食事をしようか、それとも、カバブーでも買って帰ろうか。」 そんなことを考えながら、暮れなずむヴューリヨンの街を歩いていました。ブラッスリーならばもう少し先の広場界隈、カバブーにするならアパルトマンの方角へ引き返さなくては。メインストリートとは言い条、狭い石畳の道は乗用車がやっと一台通り抜けられる程度の幅しかありません。吹き抜ける風はまだ昨日の華やいだノエルの名残りを載せています。「侘びしいクリスマスだったな。」 「ん?!」。
 霊感と呼ぶしかないような、名称し難い感覚に襲われました。「何だ?」「何か判らないけれど、何かを見た!」「何かある」。 振り返り、2、3歩戻ってガラスのショウウインドウを覗き込みました。「 Le Petit Prince だ!」 「大きい!」 「こんな本があったのか!」 「一体これはなんだろう?」 軽いパニック。見慣れた B-612 の王子が、今まで見たことがない大きさで彼方へ視線を送っています。

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 店の構えを確かめると、古本屋です。 「本当に本なのかな?」 「売り物だろうか?」 値段はついていません。「いくらだろう?」「高いんだろうな。」 現金の持ち合わせは殆どありませんが、このまま立ち去るわけには行きません。翌週ここにやって来たらもう売れてしまっていた、そんな経験をしたこともありましたから。 売り物という雰囲気ではなかったのですが、意を決して店に入ります。

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準備中

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第1シリーズ 革装版

 さまざまな思い出をいっぱい残し、2度目のフランス生活から日本に帰国して8年近くが経ちました。先日ネットサーフィン中、フランスの大手古書店カタログで「サンテックス全集」の売り物を見つけたのです。手持ちの全集はプレイヤード版だけ。それに較べるとかなり大判です。モロッコ革の装丁という豪華版。その割りには格安でした。数行の記述しかない仕様を読んだだけでは詳しいことは判りませんが、何となく引っかかるものを感じて、「買おうか」と決めました。

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 「これは!」 届いた段ボール箱の包装を解いて、中を覗いた途端に思わず声が出ました。ぎっしり詰まった函の表面が見えているだけですが、その材質は見慣れたあの焦茶色の裏革の質感。「そうだったのか」長年の謎が、みるみる溶け落ちて行く思いでした。

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準備中

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第1シリーズ 仮綴版

 私とてコレクターの端くれ。そうと判れば、打つ手はあります。インタネットの古書店を片っ端から駆け巡り、それらしいものを捜しました。すぐにも、というわけには行きません。辛抱強く出物を待って、遂にフランスのある古書店組合から手に入れることができました。ただし、「星の王子さま」だけが欠号です。

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 左側、上になっている青い巻が Vol de Nuit(夜間飛行)、下の茶色の巻は Courrir Sud(南方郵便機),中央に立っている2巻は Citadelle(城砦,2巻組み),右上はこのページのトップで紹介した、以前私が手に入れていた Le Petit Prince(星の王子さま)、中の赤い巻は Pilote de Guerre(戦う操縦士)、その下の緑色の巻は Terre des Hommes(人間の土地)。星の王子さま以外はすべて第1回配本のセットで、第1巻である南方郵便機に“2105”と番号が打ってあります。

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 バラ売りされていたものを掻き集めたのですが、バラ売りの理由はすぐに判りました。「星の王子さま」が欠けているためセットで売り出すことができず、価格の低いバラ売りに回されたのでした(集め回るのが大変でした)。【私が既に所持していた「王子さま」も独りぽっちで売りに出されていました。この手の古書は、所有者が亡くなって市場に放出されることが多いのです。シリーズの中から「星の王子さま」だけを愛蔵する人が結構多いのではないかと思われます。】
 私の持っていた「星の王子さま」がこの欠けた巻であれば劇的な再会ということになるのですが、残念ながらそうではありません。私の持っていた物は、“第2シリーズ”つまり、第2版なのです。番号は第1巻(南方郵便機)だけにしか打ってありませんから、この孤児になった「王子さま」のナンバーは永久に判りません。

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第1シリーズ 仮綴版 完全揃い

 全部揃った仮綴版も手に入りました。

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 左トップはこのセットの一員の『星の王子さま』、右トップは私が以前から手に入れていた第2シリーズ孤児の『星の王子さま』。

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 番号は No. 2526。セットの仕分け用なのでしょう、番号を打った栞様の紙が挟み込んでありました。 hair line

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