1999年8月、紙の竹尾のホームページに載った作品展覧会の紹介ページの一齣(定期更新されており、もうアクセスできません。作者ご本人と(株)竹尾のご了解を得て、当時のページをそのまま掲載しています)。
「星の王子さま」の本を、こんな風にデザインしたらと言う、イメージデザイン。「時間の流れのまま、自然に眠ってしまうような本」という作者の意図そのままに、カメノゾキからミッドナイトブルーまで、ブルー系の段階配紙に空押し文字という、ロマンチックな作品です。仕様書きどおりなら一辺 7 cm の立方体ですから、本というよりは宝物が入った小箱といった風情でしょうか。
作者の 三ヶ尻 悦子 さんは、このとき武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科の学生さんでした。
残念ながら(岩波書店がこのデザインを買い取って発売しない限り)この本が出回ることはありません。手に取って眺めることができたらどんなに素敵なことでしょう。
『星の王子さま』
サン・テグジュペリ 著
活版印刷
和文使用書体:岩田明朝
70×70×70mm
使用紙
タントN-69・タントD-70
タントL-69・タントL-68
人は時間という流れの中で生活しています。その時間の使い方はひとそれぞれで、いろいろな種類の時間があります。本を読むということも時間を過ごす一つの方法だと思います。どんなときにどのような本を読むかはとても大切なことだと思います。私は本を読むときは夜眠る時が多い。その時間は一日が終わってとてもリラックスができる大切な時間です。そのようなときに読んでほしいと思ってこの本をつくりました。「星の王子さま」を選んだのもそのような理由からです。静かな不思議な時間の流れのまま、自然に眠ってしまうような本にしたいと思いました。物語の中の時間と、読んでいる人の時間の流れが同じになるように、色の流れで時間の流れを出したかったので紙の色をグラデーションにしました。ページをめくっていくうちにその流れと同じになれたらと思います。色もこわしたくなかったので、字が目立たないように空押しという方法をとりました。この本は最後まで読んでほしいと思ってつくったのではありません。読みながらそのまま眠ってほしいと思ってつくりました。
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