箱根 サンテグジュペリ

星の王子さまミュージアム

はじめに

このページの目的

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 羊頭狗肉。 とはいえ、世界で始めての本格的な(商業ベースの)「星の王子さま」に関する“娯楽施設”なので、いつまでも無視しているわけにも行きません。オープン以来半年、大方の評価も固まったかと思いますので、そろそろ取り上げることにします。

 ご存じの方も多いと思います。1999年6月29日、“箱根 サンテグジュペリ 星の王子さまミュージアム”が開園しました。
 建物内部(⇒ 私の勘違いだったようです。パンフレットには「展示ホールおよび映像ホール」と明記してあります)は撮影禁止です。園内の写真に関しては、既に立派なホームページが存在していますから、リンクを張らせていただき、皆様をそちらの方にご案内します。

 【箱根登山鉄道 online magazine ☆99年11月特集☆。】
 【せらゆかり さんの ☆星の王子様ミュージアム☆ 工事中:写真3枚】
 【テレビ東京の番組 ☆いい旅☆ ミュージアム探訪記。】
 【箱根町観光協会 ☆星の王子さまミュージアム ☆紹介。】
 【RYOUICHI さんの ☆星の王子様ミュージアム☆ ガラスの森・他。】
 【OKUTSU さんの ☆箱根ミシュラン☆ 私設観光ガイドマップ箱根編。一番最後の部分でミュージアムを紹介。】
 【霧のミュージアム ☆ 2000.5.28☆ ハンドルネーム不詳 pp7n nbs さんの、Never Land ならぬ Never City。神奈川県を中心とした探訪記の一節。】

 今さら私が紹介サイトを開く必要はないのですが、異なる視点からの批評も必要かと思われますので、あえてページを作ってみました。上記サイトの補完物としてご覧いただけたらと思います。


 「ひどい!」「ここまで書くことはないだろう」「カンケーないジャン!」「一体なに様のつもり?」。 そんな声が聞こえてくるような気がします。たしかに、<未完>

まがいもの、では駄目なのです

 ずっと以前に何かの本で、こんな内容のことを読んだ憶えがあります。質屋さんは街の鑑定士。真贋を見極める能力は、家業の浮沈に関わります。跡継ぎの育成には、子供の頃からの教育が重要だというのです。
 「これはニセモノ」「これはホンモノ」。こうした育て方は駄目だといいます。「ニセモノを見分ける能力を育てる方法はひとつしかない」とその文章は述べていました。本物だけを見せて育てる、それに尽きるのだそうです。ニセモノの中で育った人間は、真贋を見分ける能力を失っている、と。(味覚もそうです。最近は、インスタント食品が「おふくろの味」である人々が増えました。それなのに、グルメブームとやらで、味に関して一言ある人が増えたのは、一体どうしたことでしょう?)

 これまたずっとずっと昔、私が初めてルーヴル美術館を訪れたときの経験です。展示品の華麗さにめまいを覚えながら、広い展示室を巡って行き、ある作品の前に立ちました。「あっ、これは学校で習った」「しかし、こんなに大きかったのか!」。ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」です。中学時代の美術の教科書、記念切手ほどの小ささの単色写真で知ったあの絵が、いま眼前にあります。まずはその大きさに圧倒されました。4歩、5歩、6歩、壁から遠ざかって絵を眺めます。随分長い時間、私はその場を動けませんでした。

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1973.5.16 撮影。 Nikon SP, Nikkor 35mm。

 そうしている内に人声がして、10人ほどの小学生のグループがやって来ました。「ハイ、座って」。絵の前の床に、ベタベタと座り込みます。そして、引率してきた学芸員が絵の説明を始めたのです。一通り説明が終わったあと、小学生達の質問は多岐にわたりました。ドラクロワ,絵の具,大革命(フランス革命),三色旗, ・・・・・。(もっとも、小学生たちの早口のフランス語は、私の理解力が及ぶところではありません。90%以上は、想像力で補っての話なのですが.....。) この日は、館内あちらこちらで、幾組もの同じような集団を見かけました。

 

別の部屋でも同じようなグループが
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1973.5.16 撮影。 Nikon SP, Nikkor 35mm。

   ルーヴル館内は撮影自由です。ただし、フラッシュライトその他の光源の使用,三脚や脚立類の使用は禁止。(他にも、撮影自由な美術館・博物館は珍しくありません。)
 左端の丸い構造物は休憩/長時間観賞者用のソファー。展示室の広さと明るさ、車椅子やソファーに座った位置からも充分に鑑賞できる展示品の床からの高さ等に注目して下さい。

 何という恵まれた、そして、何という贅沢な授業でしょう。世界中から名だたる美術品・出土品を掻き集め、「盗人の倉庫」と陰口をたたかれるこのルーヴルで、実物を前にしての教育です。パリっ子のセンスはこうして磨き上げられることを、このとき思い知らされました。

 子供に直接語りかけることばかりが教育ではありません。あるバイオリンメーカーの音楽教室は、面白い方法を取っています。生徒として入ってきた子供にバイオリンの弾き方・扱い方を教えるのではなく、その親に教えるのです。家庭に帰って、親が子供に教えます。上達しない責任を親に押しつける、ある意味では卑劣な経営方法ですが、教育効果は抜群です。そもそも、初歩課程さえものにできないような親に育てられているのでは、どんなに頑張ってもその子の上達は絶望的でしょう。

 既に子を持っている人や、まだ子をもうけていない若い人達がミュージアムを訪れて、「星の王子さま」の真髄に触れるチャンスを持つことは、子供の教育という観点からも、とても素晴らしいことだと思います*。それには「ほんもの」が必要です。

*  もっとも、「星の王子さま」は母親が子供に勧める童話ではない、と言うのが私の主張なのですが.....。

 「星の王子さま」そのものに関しては、真贋論争はあまり意味を持ちません。重要なのは、その資料の展示方法・テーマの扱い方・作品と観客に対する誠意、です。“レプリカ”と“イミテーション(まがいもの)”とは違います。ミュージアムの街並がニセモノ臭いと私がこだわるのも、本質を捕らえていない「まがいもの」を示して、「これはホンモノにそっくりなんだよ」ということにつながるからなのです。
 外形が似ていることよりも、そこにあった人々の生活と息づきを感じさせることが大切です。白々とした虚しさに支配された空間が、ミュージアムの中には散見されます。それを「ホンモノそっくりだ」と強弁されては困るのです。知らない人は「そんなものか」と思ってしまいます。順路を進むにしたがって、王子さまが、サンテックスが、少しずつ絞め殺されて行くのです。

お店は客が育てるもの、なのです

 役者の芸は、贔屓(ヒイキ)のお客さんによって左右されます。贔屓の目が厳しければ、芸はどんどん磨かれます。芸が上達すれば、更に、見る目を持った御贔屓さんがつきます。この繰り返しが、役者を鍛えるのです。逆の場合もあり得ます。贔屓筋が見る目を持たず、役者をチヤホヤすれば、ろくな芸もない役者がつけ上がり、芸を磨こうとはしなくなります。上達しないばかりか、少しばかりあった芸も腐って行くばかり。あとは転落の一途。贔屓の引き倒しと呼ばれる現象です。
 「日本の箱根には『星の王子さま』に関する立派なミュージアムがある。」 世界中からそう評価されるような施設であって欲しい、と私は願っています。ミュージアム(博物館,美術館)は、テーマパーク(遊園地)とは違います。しっかりとしたコンセプトに沿って資料が整えられ、来訪者を満足させられる内容の展示が、然るべき手法でなされていなければなりません。現在の箱根ミュージアムは、ミュージアムとしては落第です。来訪者が、「これでは駄目だ」「ここはこの様にして欲しかった」と声に出して言わなければ、ミュージアム側には伝わりません。褒め言葉ばかりが投げかけられるようでは、まさに贔屓の引き倒しになってしまうことでしょう。

 あれこれ難癖を付ける人間は嫌われます。でも、そうした役割を引き受ける人も必要です。とりわけ今の箱根ミュージアムには、絶対に必要な存在なのです。箱根ミュージアムを愛するのであれば、もっと多くの人が本気になって不平をいい、「こうして欲しい」と要求をぶつけるべきだと思います。

生き残って欲しい、と願っています

 「この度、『星の王子さまウエディングパレス』として生まれ変わることになりました。」 そんな挨拶状を、私は読みたくありません。
 私は「星の王子さま」を愛しています。人後に落ちないつもりです。そして、箱根ミュージアムにはずっと存続していて欲しいのです。そのためには、<未完>

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