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展示ホール入り口
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王様通りの東端、左側の建物の隅に展示ホール入り口があります。

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気をつけていないとうっかり通り過ぎてしまう、何気ない風情の古風な扉。これが展示ホールの入り口です。 |
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入口頭上には、リヨンの生家にある徽章(右。楯形)のツクリモノ(左。小判形)が掲げられています。これがまったく似ていないのです。ホンモノとても、かなり遅くに作られた取り繕い品に過ぎませんが、それにしても品格が違います。現地調査団まで派遣して資料を蒐集したはずなのに、どうしてこのような出来になってしまうのでしょう? (入り口の扉の高さに至っては、本物の半分位しかありません。) 展示館の、いや、ミュージアム全体の内容を暗示する、極めて象徴的な作品と言わざるを得ません。 |
展示ホール
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ここから先、展示ホールと映像ホールは撮影禁止です。したがって、説明用の写真はいっさいありません。
☆ 階 段
扉を入ればすぐに結構急な階段があり、両側と後ろの壁面にサンテックス及び「星の王子さま」にまつわる大小さまざまな写真や絵・皿が飾ってあります。既に「展示」がスタートしているのです。そして、展示ホールが抱えている「問題」のいくつかが早々と顔を出しています。一言でいえば、展示物は「単なる飾り」。観る人の身になって配置を考えてはいないのです。
下から見上げると、階段を登りきった正面の壁に、大きなサンテックスの写真がかけてあります。飛行帽を被り酸素マスクを胸にぶら下げた、ジョン・フィリップの撮影になる写真です。サンテックスの写真では、最も有名で、最もよく撮れた作品。荒れた肌に、傷とも見える深い皺が刻まれ、空を見上げる横顔には、波乱に満ちた人生をくぐり抜けてきた男の哀愁が滲んでいます。何度見てもその度に「さすがプロ!」と唸ってしまうレンズ捌き。ジョン・フィリップの最高傑作と言ってよいのではないでしょうか。ここにこの写真を持ってきたのは大正解です。
美的センスというものは個々人それぞれの属性ですから、言っても詮ないことではありますが、他の写真や絵皿を全部取り払って、この写真一枚だけだったらどんなに良かったかと惜しまれます。もし許されるものならば、(安全のために)階段のステップ毎に足元燈を設置したうえで全体の照明をもう少し薄暗くし、この写真にスポットライトを当てるという演出はいかがでしょう。
あるいは、照明を落とすのは止めにして、天井と壁の上部2m程をミッドナイトブルーの壁紙で覆い、天井に、星に擬した小電球を2〜3個配置するという手もあります。(もう少し凝る気があるならば、プラネタリウムのように、はじめ青空で、夕焼けの茜空に変り、だんだんと暮れなずんでダークブルーが深くなるにつれ星が瞬き始めるという演出もあります)。
外から入ってきたばかりですから、階段上部はかなり暗く感ずるはずです。そこに浮き出るサンテックスの横顔。深い哀愁をたたえて空を見上げるサンテックスに、一段々々近づいて行くという趣向は、ミュージアム展示室の出発点として悪いものではないと思うのですが.....。
(暗くしすぎると葬式のムードになってしまいます。かなり明るめでも外から入った直後は暗く感じます。登るに連れて目が慣れてきますから、だんだん明るく感じることでしょう。登りきった頃には、展示を見るのにちょうど良い明るさになっているはず。)
| 余談ですがこの写真、右を向いているものと左を向いているものと、2種類が出回っているのですよね。どちらかが裏焼きというわけです。ジョン・フィリップの写真集には、ミュージアムと同じ左向きの写真が掲載されていますから、これが正しい向きなのでしょう。 |
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2001.6.19 日付の「星の王子さまクラブ」雑記帳で、ミュージアム代表者が「向かって右向きが正しい」と表明しました。ネガの裏表を確かめる以外に確定する方法はありません。「調査の結果」と言っていますから、カメラマンのジョン・フィリップまたはその代理人に直接問い合せるか、そうしたことを行って正しい向きを確認した人や機関から情報を得たのでしょう。(でなければ、「検討の結果 ......... と思われる」と表現すべきものです。)
あの写真から右左を推定するヒントがふたつだけあります。着ている防寒用セーター(?)の「ファスナー下の打ち合わせ布」と「酸素マスクに付いたマイクロフォンコードの方向(P38 の場合、通常はマスクの左側)」です。
蔵書の山に紛れて行方不明だったジョン・フィリップの写真集“Poet and Pilot Antoine de Saint-Exup屍y”をやっと捜し出しました。表紙カバーの写真は向かって左向きですが、箱根ミュージアムの言うとおり、これは裏焼きであると結論できます。 |
閑話休題。展示館入り口の階段に戻りましょう。
残念なことに現実は、脈絡もなく所狭しと懸けられた写真や絵皿で壁が埋められています。とりわけ階段を登る途中の右側にある小さな絵は、どんなに身を乗り出しても細部を観察することはできません。(オペラグラスか小型の単眼鏡の持参をお勧めします。)
「後でチャンと観察できます」というのでしょうが、初めて訪れる入館者にはそんなことは判りませんから、何とか良く見ようと必死になってしまいます。「後で見られる」のであれば、ここに飾る必要はないでしょう。ミュージアム設計哲学そのものが、少々狂っているのではないでしょうか。
未完