岩波書店

特別限定出版?

オリジナル版

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 サンテグジュペリ生誕100年記念版。「オリジナル版」とは、岩波独自の編集ということではなく、従来の挿絵はサンテグジュペリが描いた物とは違っていたので、純正(オリジナル)の挿絵と入れ換えたという意味。
 ジュエリーブック版に続いて横書き・左綴じとなった。

星の王子さま
シリーズ名 言語 翻訳者  
オリジナル版 日本語 内藤 濯  
出版社 初版出版 版権取得 この本の
版・刷
出版年月日
岩波書店 2000.3.10   1刷 2000.3.10
ISBN 価格 判形(天地×左右×厚さ) 総頁数
4-00-115676-8 ¥1,000.- B6判 (18.4×11.4×1.2 cm) 136 ページ
装  丁
表紙 表紙色
図柄
カバー
HC 白地
B-612
なし あり なし
本文頁数 挿絵/口絵 扉図柄 行/綴じ 
  彩色31,単色16 2ページ
見開き
横書き
/左綴じ 
備考・特記 : 第1刷;2000年3月10日,第2刷;2000年3月15日,第3刷;2000年3月24日。 発売後僅か2週間で第3刷が店頭に並ぶという、前代未聞の売れ行きとなった。今後の推移次第では、年間売上部数の日本記録となるかも知れない。
 【増刷されたということは、1刷限りの限定版ではなかったことを意味する。あとは、今年(100周年)限りなのか、来年以降も発売するのかが注目されるところ。〔⇒ 2001年1月15日、第11刷が発行された。つまり、2000年限りではなく、今後も増刷されることを意味する。〕 額面通り(生誕100年記念)ならば今年限り。それに、正規の判形のもの(現在3種。CD ROM ブック版も含めれば4種)が挿絵の差し替えを行えば、この版が存続する意味はない。少年文庫2010の価格も大分上昇したことなので、いっそのこと廃版とし、このオリジナル版をペーパーバックに変えて後継シリーズとして残して貰えると、「星の王子さま」ファンとしてはとても嬉しい。普及版がカラー挿絵になれば、読む人も増えることと思われる。現存の版も大幅に改訂し、横書きに変えるべきであろう。そうすれば物語の進行と挿絵の配置との調和が取れる。】

☆ 帯には「うまれかわった永遠の名作」「サン=テグジュペリ生誕100年記念」「オリジナル版 星の王子さま」とうたってある。

☆ 3ページにわたる「まえがき」: ガリマール新版(Follio Collection 3200)に付けられた「前書き」の和訳;フレデリック・ダゲー(遺族)名で、ガリマール版の挿絵が本物とは異なるものになった言い訳が述べられている。(納得がゆく内容とは言い難く、嘘に近い。)

 ガリマール社が否定し続けてきた1945年版の存在を明確に認めている。copy right 1946 と明記し、初版は1946年であると言い続けたことを、ガリマール社はどのように説明するのだろう。

 岩波だけのカラー挿絵「入り陽見る王子」他は、単色に戻った。眺めた回数はもちろん44回に。その他、小惑星“325”の番号が Gallimard 版で“3251”と誤植されていたのもそのまま忠実に翻訳していたが、Gallimard 版がもとに戻ったのを受けて“325”となった*。ガウンの色は緑色。

*  この訂正については、浅井さんからお教え戴きました。浅井さんは、挿絵の違いについて岩波書店に問い合わせをしたことがあります。オリジナル版の発売に際して、新聞記事になったこと等のいきさつもあり、岩波書店が浅井さんに訂正箇所を知らせてきたのだそうです。


(2000.2.28 に掲載したニュースページ抜粋)

ニュース

岩波 新装版発売

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岩波書店

オリジナル版

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 ガリマール社がレイナルヒチコック社の初版本に忠実な版を発売したことは、既にお知らせしました。(ホンモノとニセモノ? 2系列の挿絵 最後尾をご覧下さい)。今回、岩波書店も新しい版を発売します。3月10日販売開始です。

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 ハードカバー版,18.4 × 11.3 cm。136頁。4色刷。¥1000.-。
 大きさから見て“岩波少年文庫版”の後継判ですが、同版はペーパーバックの廉価版としての存在意義を持ったものですから、これに置き代るということは考え難いのです。となれば、再版無しの限定出版である可能性もあります。「サンテグジュペリ生誕100年記念」とうたっていますから、何か特別な趣向があるのでしょう。
 4色刷と言っていること、パンフレットで点灯夫の絵がカラーになっていること、等から考えると挿絵はすべて原画通り(つまり、少年文庫版で単色画であったものもカラーになる)ということかも知れません。そうなれば当然、岩波だけのカラー画だった「夕陽見る王子」や最後の挿絵「砂漠と星」は単色画に戻ることになりましょう。¥1000.- という値段では、ハードカバーでフルカラーの実現は微妙なところですが、大ベストセラーですから、買い換え需要が多く、(限定出版でないのなら)将来とも売れ続けることを見越しての価格設定かも知れません。本文は、これを機会に(ジュエリーブック版と同様)横書きになるのではないかと思われます。
 「夕陽を見た回数」も43から44への変更がなされることでしょう。ガリマール社版が44回に訂正された以上、当然のことです。しかし、これは翻訳著作権に関わる問題を生じます。内藤 濯さんが存命であれば、本人の承諾で簡単に書き換えられますが、もうお亡くなりになっていますから、権利継承者である御遺族の承諾で、「単なる誤りの訂正」として処理されるのでしょう。とはいえ、43と44は、重大な違いであるのかもしれないのです*

* サンテックスの遺族は強硬に否定しますが、死の直前、彼の精神状態はあまり健康的なものではなかったようです。さまざまな理由から、彼の死は自殺であったと考える人がいます。内藤 濯さんもその一人でした。生前あるテレビ番組中で「彼の死は自決だったと思う」と意見を述べられるのを、私自身視聴したことがあります。また、著書「星の王子とわたし」のなかでも、最後の夜に、覚悟の上で遺言をしたためるといわんばかりの描写が出てきます。(見ていた人がいるわけではありませんから、情景描写は内藤さんの創作です。「遺言」の名宛人は、内容から見て「B夫人」ですが、その事については触れていません。)
 Le Petit Prince の執筆時、サンテックスは42歳でした。夕陽を見る回数43回は、彼の年齢を表しているという見方があります。そして、「夕陽」は死の隠喩であるという考え方も。
 彼は死んだとき44歳になって1月経っていました。43回の日没は自殺の予告ではなかったわけです(43歳では死ななかった)。それでも、すぐ死ぬつもりの願望が予定通りに実現するとは限らない、という反論も可能です。
 「43回」が誤りであることで決着を見ましたから、この主張の説得力は弱まります(自殺志願者が、決行時点を1年以上も先に設定することはまずありません)。 43と44の違いは、重く暗い影を引き摺っているのかも知れないのです。
 【これらのことに関しては、拙稿「論考/考究」で論ずる予定です。】


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