ローマ数字

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 現在私たちは、当たり前のようにアラビア数字を使っています。ゼロの概念を何の困難もなく理解しており、数列右端(または小数点)からの位置が桁を表すことも、交通信号と同じように、暗黙裏の了解事項として共有しています。でも、つい百年前の日本では、決して当たり前のことではありませんでした。


 日本人は、2種類の数字を混ぜて使っていました。
  漢数字:一・二・三・四・五・ . . . ・十
  漢字(大字):壱・弐・参・肆・伍・ . . . ・拾・百・千・萬(万) . . . .
 原則として、数字は1から10まで、位取りには漢字を用いたのです。改竄が容易な「一」〜「三」と、改竄の結果生じる「五」については、漢字を用いることもありました。
 ゼロ(零)の概念はずっと後になってから取り入れられたもので、和式の数字表記に用いられたことはありません。


 各民族は、それぞれに数表記法を編み出し、使っていました。
 古典古代のローマでは、1, 5, 10, 50, 100, 500, 1000 を、それぞれ、I, V, X, L, C, D, M で表したのです。ゼロや桁取りはありません。
 利便性のために、左側から大きな数字を順に置くことが多いのですが、(数字自体に桁取りが含まれているので)必ずしも順に並べる必要はありません。全部を足したものが、その数列が表す数値になります。「4」と「9」についてだけは例外規定があります。すなわち、それより大きな数字の左側において、引き算をするのです(そのために、「4」と「9」を含む数列は、左から大きな桁を並べなければなりません)。【ただし、引き算の結果が、桁ひとつにおさまる場合に限られます。すなわち、XC:100 − 10 = 90 はありますが、IC:100 − 1 = 99 や IL:50 − 1 = 49 はありません。90 や 40 は一つの桁です(ローマ数字にゼロは存在しない、すなわち、桁取りの概念はない、ことを思い出して下さい。数字はすべて「一桁」なのです)が、99 や 49 は二つの桁にまたがってしまいます。】

 実例で示しましょう。MMMCMXLIX = 3949 です。数列を読み取る秘訣は、右側から読んで行くことです。そして、I, X, C にはご用心! 右より小さな数字が出てきたら、右の数から引き算です。
 右端は「X」= 10 です。その左隣に目を移すと、「I」= 1 が出てきました。右側より小さな数ですから、ここで引き算をしなくてはなりません。10 −1=9となります。更に左に移ると、「L」が出てきました。「50」です。その左隣に「X」があります。またぞろ引き算。50 −10=40 となります。次は「M」=「1000」ですが、その左隣は「C」=「100」ですから、1000−100=900 です。その左は「M」つまり「1000」、その次も「M」、更に次も「M」で、これらは同格ですから、足し算となり、3000 を表します。と言うことで、全部を足し合わせて 3949 が正解です。
 【「足し算」「引き算」は、あくまでも(現代の我々が「理解」し易いように説明した)便法です。本来、「IX」「XL」「CM」はこれ自身で一つの「数字」なのです。引き算ばかりでなく、足し算も同じで、VII は7, LX は 60, DCCC は 800 を、それぞれ意味する「数字」です。(数「字」は「理解」するものではなく、「憶える」べきものです。例のバカ知事が、むかし、「フランス語は数を勘定できない言葉」と放言したことがありました。“soixante et onze”も“quatre-vent-douze”もこれで一つの「数」を表すのです。頭の悪い彼は、これを憶えられず、その都度「計算」していたのでしょう。「勘定できない」のは彼の能力不足。単語は計算式ではありません。紛らわしい単語は言語としての不備を表すというのなら、魚偏だの鳥偏だのと、目が回るほど多くの「紛らわしい漢字」を使用する民族をどうしてくれるのでしょう?)

 ローマ数字表記は現在でも用いられることがありますが、原則として 4000 未満の数だけです。


12345678910
IIIIIIIVVVIVIIVIIIIXX
11121314151617181920
XIXIIXIIIXIVXVXVIXVIIXVIIIXIXXX
41424344454647484950
XLIXLIIXLIIIXLIVXLVXLVIXLVIIXLVIIIXLIXL
919293949596979899100
XCIXCIIXCIIIXCIVXCVXCVIXCVIIXCVIIIXCIXC
491492493494495496497498499500
CDXCICDXCIICDXCIIICDXCIVCDXCVCDXCVICDXCVIICDXCVIIICDXCIXD
9919929939949959969979989991000
CMXCICMXCIICMXCIIICMXCIVCMXCVCMXCVICMXCVIICMXCVIIICMXCIXM

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