英語で読む「星の王子さま」,井上 久美 訳註,IBC パブリッシング,A5変形判, p.224,2012年4月25日,¥1,900.- + 税,ISBN 978-4-7946-0141-4
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対訳 フランス語で読もう「星の王子さま」,小島 俊明 訳註,第三書房,A5版, p.183+85,2006年6月29日,¥2,500.- + 税,ISBN 4-8086-0620-8
書評のどのジャンルに配するべきか迷いました。フランス語学習を意識しての対訳という性格上、直訳傾向が多くなるのは当然のことです。にもかかわらず、単なる直訳にとどまらない優れた翻案なので、翻訳書としての評価をするのが適当かと思います。 |
自分で訳す「星の王子さま」,加藤 晴久 注釈,三修社,A5判 21 cm, p.275, 2006年9月15日(実際は9月1日発売),¥2,200.- + 税,ISBN 4-384-05336-5
題名通り、フランス語原文から自分で翻訳してみようという人のための注釈書です。とてもすばらしい企画であると思います。2004年度に開講された恵泉女学園大学の公開講座が基になっているそうで、仕上がりも上々です。 見開きの左側に原文、右側に注釈という、使い易い構造です。著者が述べているとおり、辞書を引けば判るような語句の説明はしません。指摘されなければ気づかないような、中級以上の文法と、聖書その他へと分野を広げた知識が必要な箇所を解説します。注釈が必要かつ充分な分量であるか否かは、読者次第です。
と述べますが、とんでもない話。それだったら聖書の解説等は無用でしょう。第一、
と述べているではありませんか。この著者、作品の奥の深さが判っていません。 本書の目を見張る特徴は、既訳12点を読破して、誤訳している既出書を該当箇所の注釈で明示している点です。徹底的と言うにはほど遠い(誤訳書を指摘しないこともあります:p.67-3)のですが、文学系の人は誰も手を出さなかった偉業と言って良いでしょう。誤りがあればそれを指摘し、批判するのは当たり前のことです。著作権によって長く保護される事を考えれば尚更のこと。厳しい批判と切磋琢磨がなくては、外国文学を本当に理解することは望めません。ぬるま湯の中でもたれ合う甘ったれ構造から抜け出す、歓迎すべき傾向だと思います。 本書の優れた点と不足した点を代表する箇所として、p.170 と p.171 を見てみましょう。少し長くなりますが、註3は全文引用します。(例によって、【 】内は RenardBleu の意見・註釈です。)
小さな誤りはさておき、文法的な説明だけでなく、聖書の関係箇所を引用するなどしてその解釈に深みを与える優れた解説です。 敢えて欠点を指摘しましたが、全体として非常に優れた注釈書です。とりわけ、他書の誤りをきっぱりと指摘した自信と姿勢は、爽快感をすらおぼえます。フランス語を学習したことがある人には、絶対お薦めの一書。姉妹編となる解説書「憂いの顔の星の王子さま」が待たれます。 |
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