
サンモーリス村から少し下った畑の外れに、村の墓域があります。狭いものなので、村全家族の墓域というわけではなさそうです。塀は明らかに新しく、塀の外にある小さな駐車場所と合わせて、ごく最近作られたか、補修されたかしたものです。

墓域中央にトリコー家・サンテグジュペリ家の墓があります。両家ともにこの村の領主だった家系です。親戚ですからひとつの墓。他は棺を地面に埋葬する方式の中で、ひとつだけチャペルをかたどった建物型です。

このタイプの墓は、ブエノス・アイレスで見たものと同じです。アルゼンチンでは、中流以上の家族ならごく普通の「××の墓」と見受けました。ここでは別格です。
墓の地下室に棺が安置されるのですが、この墓は形だけで、トリコー夫人もサンテグジュペリ家の面々も、ここに葬られているわけではありません。代わりに、故人をしのぶ銘板が取り付けてあります。

銘板が捧げられているのは、サンテックス5兄弟姉妹と母親、それにトリコー伯爵夫人だけです。コンスエロはもちろんのこと、サンテックスの父親の名前もありません。