王子さまは左利き?

挿絵に見る利き腕

hair line

 王子さまは左利きなんだろうか? 読み進みながらいつもそう思ってしまいます。挿絵の王子さまが物を持っているとき、左手に持っていることが多いのです。

 正装した「王子の肖像」では、抜き身の剣を左手に持っています。鞘を持つのなら利き腕は空けておきますが、この場合は抜き身の柄を握っています。これは、利き腕以外には起こらないことです。
 これ以外にも、「バオバブの芽を抜く」ときや、

「火山を掃除する」ときの道具の持ち方は、左利きのものです。

 【上掲3枚の絵はすべて Reynal & Hitchkock 版より。】

 右利きに見えるときもあります。薔薇に水をやるとき、如雨露は右手に持っています。砂漠に降りたって、行く手を指しているのは右手です。(そういえば、トルコの博士は左手で指していますね)。

 印刷原版は(文字も含めて)左右逆転して作られます。もし模写から原版を起こす段階で左右逆転を怠ると、刷り上がりは左右逆転した絵になってしまいます。印刷会社にとって原版作成はルーティンワークですから、左右を逆転させるというあたりまえの製版作業を間違えるとは考えられません。したがって、サンテックスが描いた原画そのものの左右が再現されているものと信じてよいと思います。

 はっきりとした結論は出ませんが、どうも王子さまは左利きのようです。だとしたら、作者であるサンテグジュペリも左利きなのか? この疑問が、「箱根ミュージアム」の展示を見て大慌てする伏線になりました。

hair line

トップページに戻る
総目次に戻る

ホーム

hair line