|
あるロシア語版冒頭の大蛇の絵です。現実にはあり得ない点がいくつかあります。 まず、上顎と下顎に牙がありますが、下顎に牙をもつヘビは存在しません。あるとしたら上顎だけです。 牙を持つのはすべて毒蛇です。ボアをはじめ、大蛇には牙はありません(つまり毒を持つ大蛇はいません)。 まだ生きているけものに巻きついて牙をむいていますが、このようなことをする蛇はいません。獲物を巻くときは、必ずしっかリと頭またはその近くに噛み付き、次の瞬間、素早く身体を巻きつけます。獲物がぐったりするまで、噛み付いたまま放しません。そうしないと反撃されて、致命的な傷を負ってしまうからです。 また、毒蛇は獲物に巻き付きません。電撃的に牙をさして毒を注入したら、すぐ離れて獲物の様子をうかがいます。もし獲物が逃げ出せば、どこまでも追跡して獲物が屠れるのを待つのです。絞め殺しという危険な方策を回避するために毒を持つようになったのですから、獲物の爪や牙が届くところに身を置くドジなことをするはずがありません。獲物に巻き付いていれば、それは無毒のヘビなのです。 |
|
サンテックスが描いたボアです。牙はありません。彼は、ボアに牙がないことは知っていたようです。骨骼標本でも見たか、子どものころに無毒のヘビを解剖したことでもあるのかも知れません。(生きている蛇が口の中をのぞかせてくれることはまず起こりませんから、死んだヘビを観察したか、解剖でもしたか、どちらかでしょう。) でも、あまり仔細に観察したわけではないようです。この歯はまるで鮫のもののようです。このタイプの歯を持つヘビはいません。すべてのヘビの歯は曲がった円錐形をしています。 |
|
YouTube にヘビの動画集がありました。必見です。 収録された動画の中には、大蛇が小さなカバをを吐き出す場面をとったものがあります。私が「大蛇」の項目で書いていることと矛盾するのですが、いつも、そして、簡単にできることではありません。時間をかけ非常に難儀しながら吐き戻している上記動画像を見ていただければ、「吐き出す」のは、胴を殴られたり突かれたりしたあげくに異常な反応として起こってしまう(または、身動きできない状態で身に危険が及んだ場合に、必死になって行っている)ことが判っていただけると思います。吐き出す獲物が小さければ簡単ですが、大きな獲物の場合、ヘビの歯が折れている可能性があります。また、強力な消化酵素を含む胃液によって痛めつけられた食道や口腔を抱えて、当分は餌も取れない状態に置かれることでしょう。胃に大きな傷を負っていれば、致命傷になるかも知れません。 |