辻 邦生 説:そんなものは存在しない 「まだこんなことを言う人がいるのか」とウンザリするのですが、内容を調べもせずに平気で孫引き/剽窃をする人が後を絶ちません。この際はっきりと「辻邦生説」なる“逃げ水虚説”の命脈を絶ちたいと思います。
原報は、「『星の王子さま』とぼくたち」と題する北 杜夫と辻 邦生の対談*です。その対談中、北 杜夫(辻 邦生ではありません)が、「ハイヒェレ説」を、「サン=テグジュペリの死」の真相として紹介しているのです(p.28)。無責任にも、出典**を明らかにすることなく「調査の結果」と述べますから、(当時のサンテックスファンなら誰でも知っていた「ハイヒェレ説」の存在を知らなければ)「北 杜夫 が調査したのだ」と誤解する人が出てくる可能性はあります。原報をチェックしようともしない剽窃/孫引きによって、いつの間にか(おそらくは最初から)「辻邦生説」になってしまったのでしょう。「辻邦生説」はもとより、「北杜夫説」も存在しない(「ハイヒェレ説」を右から左へ紹介したに過ぎず、独自性はありません。紹介だけなら、注記の 塚本 一 氏が初めての日本語)のですが、「ハイヒェレ説」が捏造であったことが明らかとなった現在では、話題にする価値すらないものです。
* 「子どもの宇宙」, 中央公論社, 雑誌「海」臨時増刊, 第14巻第13号, pp. 10 - 41, 1982.12.20 発行。【対談が行われたのは、1982.9.6(この対談は、誤りとピント外れな独断が多く、探し出して読む程の価値があるわけではありません)。 この対談の時点で 辻 邦生 は「ハイヒェレ説」をまったく知らず、「星の王子さま」についても知識は殆どありません。】
** 言及する内容が限定されていることから推して、1981年の ICARE 96号ではなく、中央公論 1981年9月号に掲載された 塚本 一 氏の記事であろうと思われます。
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